目先の利益に囚われていませんか? 経験不足の経営企画が陥るワナ

会社の未来を担う経営企画という部署ですが、事業計画の作成は、ただ数字を並べるだけでは不十分です。特に、目先の利益ばかりを追い求めてしまうと、将来の成長機会を失い、会社を危機に陥れることにもなりかねません。今回は、経験不足の経営企画の担当者が陥りやすい「3つのワナ」と、そこから抜け出すためのヒントをお伝えします。


ワナ1: 継続的な利益を無視した「売り切り型」思考

「今期の売上目標を達成するために、大幅な値引きや過度なキャンペーンを実施しよう!」

この考え方、短期的な成果は出るかもしれませんが、会社の体力はどんどん削られていきます。

目先の売上を追い求めるあまり、

  • ブランド価値が損なわれる: 「あの会社はいつも安売りしている」と顧客に認識され、適正な価格で売れなくなる。
  • 利益率が低下する: 値引きの分、利益が減り、会社の収益構造が悪化する。
  • 顧客育成を怠る: 一度きりの顧客ばかりが増え、リピーターやファンが育たない。

事業計画では、単発の売上目標だけでなく、「顧客との長期的な関係性をどう築くか」という視点が不可欠です。リピーターを増やし、継続的に収益を生み出す仕組み(サブスクリプションモデルなど)をどう構築するかを考えることが、持続的な成長には欠かせません。


ワナ2: 無視されがちな「事業性」という視点

「競合が新サービスを出したから、うちもすぐに追随しよう!」

市場のトレンドを追うことは重要ですが、自社の強みや資源を無視して事業を立ち上げても、成功は遠のきます。

よくある失敗は以下の通りです。

  • 自社の強みと関係ない新規事業: 既存事業で培ったノウハウや技術が活かせず、ゼロから始めることになり、時間とコストが無駄になる。
  • 市場の規模を見誤る: 一見魅力的に見える市場でも、顧客数が少なかったり、競合が多すぎたりして、利益を出すのが難しい。
  • 社内のリソース不足: 資金、人材、設備など、事業を推進するためのリソースが足りず、計画倒れに終わる。

事業計画を立てる際は、「なぜ、この事業を自社が行うべきなのか?」を深く掘り下げてください。自社の強み(人・モノ・金・情報)を最大限に活かし、参入する市場(市場規模、競合、顧客)を徹底的に分析することが成功の鍵です。


ワナ3: 会社の全体像が見えていない

「自分の担当するプロジェクトだけ成功すればいい。」

部署やプロジェクト単位での成果を追求するあまり、会社全体の利益を損なってしまうことがあります。

例えば、

  • 他部署との連携不足: 営業部門と製造部門が連携せず、在庫が過剰になったり、欠品が発生したりする。
  • 固定費を無視した判断: 新規事業で赤字が出ても、「この事業は未来への投資だ」と正当化し、会社全体の利益を圧迫する。

事業計画は、会社全体を俯瞰して作成するものです。各事業がどれだけ利益を生み、会社の固定費をどれだけ賄っているのか、そして、どこに資源を集中投下すべきかを常に考える必要があります。


経営の全体像は、体験して学ぶのが一番の近道

これらのワナを回避するには、座学で知識を学ぶだけでなく、実際に経営をシミュレーションしてみるのが一番です。

そこでおすすめなのが、「戦略MG(マネジメントゲーム)」です。

戦略MGは、経営をボードゲーム形式で体験できるツールです。プレイヤーは社長となり、資金調達、設備投資、製造、販売、広告など、企業のあらゆる活動を意思決定します。決算書も自力で作成するため、「なぜその行動が利益につながるのか」「なぜ固定費を意識する必要があるのか」が、頭ではなく体で理解できます。

数字の裏にある経営の因果関係を体験することで、目先の利益だけでなく、継続的な利益、そして事業性を見極める力が養われます。事業計画の作成に悩んだら、ぜひ一度体験してみてください。きっと、あなたの視野が大きく広がるはずです。